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三井造船と三菱化学とのゼオライト膜事業に関する業務提携について

2016/07/14

三井造船株式会社

三井造船マシナリー・サービス株式会社

三菱化学株式会社


三井造船株式会社(本社:東京都中央区、社長:田中 孝雄)及び同社の子会社である株式会社三井E&Sパワーシステムズ(本社:東京都千代田区、社長:森田 政夫、以下「MZM」)と三菱化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:石塚 博昭、以下「MCC」)は、このたび、液用ゼオライト分離膜(以下「ゼオライト膜」)の販売及び製造に関する業務提携について合意しました。

ゼオライト膜の新規市場参入及び拡販を目的として、MZMが製造するゼオライト膜をMCCが全量購入し、米国を中心とする世界市場において独占的に販売を行うとともに、両者の技術を組み合わせた新たなプロセスの提案を行います。

 

【業務提携の背景と目的】

 米国やブラジルを中心に世界各国で、カーボンニュートラル、かつCO2排出抑制につながる燃料として、トウモロコシやサトウキビなどのバイオマスを原料とするバイオエタノールの利用が普及しつつあります。特に米国においては、ガソリンへのバイオエタノール添加が促進されるなど需要増を背景として、現在210基を超えるバイオエタノールプラントが稼働していますが、米国環境保護庁(EPA)は、さらに生産量の倍増を計画しています。

 

バイオエタノールの精製・無水化のプロセスでは蒸留工程を経た後、一般的にA型ゼオライトに代表されるペレット状の汎用ゼオライトを利用したPSAプロセスが用いられていますが、その多くは導入後10年が経過しており、2015年以降多くのプラントが設備更新の時期を迎えるといわれています。また、EPAはさらに今後増産されるコーン等の可食原料由来のバイオエタノールは温室効果ガス(GHG)のライフサイクル排出量を20%削減するとしており、多くの生産者は増産に向け省エネ設備の導入を開始しています。

 

MZMA型ゼオライト膜を1998年頃から製造・販売しており、70件以上の導入実績があります。A型ゼオライト膜の強い脱水能力を活かして、これまでに工業用アルコールの溶剤回収システムやバイオエタノールの無水化プロセスに採用されています。

 

MCCは耐水性・耐酸性に優れた独自のCHA型ゼオライト膜の開発に成功し、これまで三菱化学エンジニアリング株式会社(本社:東京都中央区、社長:福村龍二)の溶剤回収システムや耐水性・耐酸性が求められる日本酒の濃縮用途に採用されています。

 

MCC及びMZMは、MZMA型ゼオライト膜とMCCCHA型ゼオライト膜を組み合わせたZEBREXTM脱水システムを中心に、既に、大陽日酸株式会社(本社:東京都品川区、社長:市原 裕史郎)と共同で米国バイオエタノールプラント向けにマーケティングを開始していますが、このたびの業務提携により、MCCのゼオライト開発技術および三菱ケミカルホールディングスグループが保有するマーケティング力と、MZMA型ゼオライトの製造技術、市場における認知度などの強みを活かしてさらなるゼオライト膜事業の拡大を図ります。

 

【業務提携の内容】

(1)A型ゼオライト膜のマーケティング・販売

MZMA型ゼオライト膜を製造し、MCCがこれを独占的に販売します。MCCは、MZMの支援のもと、A型ゼオライト膜のマーケティング、顧客開拓を行います。

米国については、大陽日酸の子会社であるマチソン・トライガス社(Matheson Tri-gas. Inc、本社:米国ニュージャージー州)の産業ガス販売ネットワークを通じたマーケティングに組み込み拡販していきます。

 

(2)ハイブリッド脱水プロセスの提案

MZMの持つA型ゼオライト膜とMCCの持つCHA型ゼオライト膜を組み合わせて顧客に最適な省エネプロセス、増産プロセスを提案していきます。

現在多くのバイオエタノールプラントで用いられているPSAプロセスは、ペレット状のゼオライトに吸水させることで無水化するプロセスで、数分おきにゼオライトの再生工程が必要となります。また、脱水した製品の20%程度が再生工程で使用されています。

ZEBREXTM脱水システムは水分量の多い領域でも高い分離能を有するCHA型ゼオライト膜と強い脱水力を持つA型ゼオライト膜を組み合わせたプロセスであり、ゼオライト膜は再生工程を必要としないため、PSAプロセスを、ZEBREXTM脱水システムを用いたプロセスに置換、または追加することによりユーティリティコストの削減および1015%程度の増産が期待できます。


【ゼオライト膜を用いた脱水の仕組み】

ZEBREX脱水システムの概要】

(現状)                                  (CASE1                                 (CASE2

(現状)

発酵によって生成したバイオエタノールは蒸留塔で精製された後、PSAプロセスで脱水される。PSAプロセスの再生工程において精製したバイオエタノールの20%程度が消費されている。

CASE1

現状のPSAプロセスをZEBREXTM脱水システムに置換。PSAプロセスと異なり、再生工程がないため、現状と比較して15%程度の増産が見込める。

(CASE2)

現状の脱水プロセスにZEBREXTM脱水システムを追加。PSAプロセスの再生工程で生じる含水量の多いエタノールをZEBREXTM脱水システムで脱水することで15%程度の増産を見込める。

以上

 

【担当部署】

三井造船マシナリー・サービス株式会社

大阪事業所 技術部

山村 電話:06-6681-1720

【お問い合わせ先】

三井造船株式会社

経営企画部 広報室

乾(いぬい) 電話:03-3544-3147

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